ユニバーサルアナリティクス(UA)からGoogleアナリティクス4(GA4)に完全移行してからおよそ2ヶ月が経ちました。
Webサイトに訪れたユーザーの属性や行動をもとに効果測定ができるGA4ですが、メルマガや広告といった施策ごとにより詳しく効果測定をしたいと思ったことはありませんか?
施策ごとに詳しく計測するには「URLパラメータ」を使うと便利です。
URLパラメータはUAでも活用できた技術ですが、引き続きGA4でも活用することができます。
今回は、備忘録として「URLパラメータ」を利用したGA4の流入数計測方法をご紹介します。
目次
URLパラメータとは?
URLパラメータとは、サイトURLの後に付与できる変数のことです。
例えば、「https://XXX.com」に何らかのURLパラメータをつけると以下のような形になります。
この場合、通常のURLの後にある?以降の部分と言えます。
GA4ではこのパラメータを施策ごとに使い分けることで
「どのキャンペーンの集客効果が高いのか」「どの参照元や媒体からの流入が多いのか」
といったことをより詳しく計測することができます。
では、実際にURLパラメータを利用して計測をする手順を見てみます。
URLパラメータの発行方法と公式生成ツールの紹介
URLパラメータは主にCampaign URL Builder(または、アプリの場合 Play Campaign URL Builder)というGoogleが提供するツールで発行するか、手動で発行するかの2通りがあります。
Campaign URL Builderで発行する方法
まずは、Campaign URL Builderで発行する方法から見ていきます。
Campaign URL Builderはフォーム入力することで、自動でパラメータを発行できるため手軽で簡単なのが特徴です。
※サイトは英語表記のため必要に応じてブラウザの自動翻訳などを活用してください。
サイトを開いたら、Campaign URL Builderに表示されているフォームに必要事項を入力します。
入力画面の内容は次の通りです。
①WebサイトのURL:website URL(必須)
HPのお問い合わせやキャンペーンページなど、遷移先のWebサイトURLを入力します。
GA4の計測に利用する場合は、URLは必ず計測対象のGA4に登録しているURLにして下さい。
②計測に使うキャンペーンID:campaign ID(場合によって必須)
特定のキャンペーンまたはプロモーションを識別するために使用されます。
キャンペーンのインポートやエクスポートを利用する場合は必須となりますので、状況に応じて設定します。
参考:Googleアナリティクスヘルプ「キャンペーン データのインポート例」
③参照元:campaign source(必須)
Google、ニュースレター、メルマガ配信、特定の広告など参照元を識別するために入力します。
必須項目で、GA4では「参照元」として計測されます。
設定内容 | 入力例 |
---|---|
Google検索・Google広告 | |
ニュースレター、メルマガ | newsletter、email など |
Yahoo検索・Yahoo広告 | yahoo |
facebook、LINEなどのSNS | facebook、line など |
④マーケティング メディア:campaign medium(必須)
ユーザーがどんな媒体やメディア広告を通して訪問したかを識別するために入力します。
必須項目で、GA4では「メディア」として計測されます。
Googleでデフォルトに用意された「デフォルトチャネル」というものがあり、このルールに当てはめて計測します。
デフォルトチャネルの例
設定内容 | 入力例 |
---|---|
自然検索(Organic Search) | organic |
ソーシャル(Social)、各SNSなど | social、social-network、social-media、sm、social network、social media |
メール、メルマガ配信 | |
アフィリエイト広告 | affiliate |
参照元サイト | referral |
有料検索(リスティング広告) | cpc、ppc、paidsearch、Content |
他の広告 | cpv、cpa、cpp、content-text |
ディスプレイ広告 | display、cpm、banner |
ノーリファラー、不明 | direct、none |
参考:Googleアナリティクスヘルプ「デフォルト チャネルの定義」
⑤キャンペーン名:campaign name(任意・推奨)
キャンペーンごとに名前や種類をつけて区別する場合に入力します。
任意で設定可能で特にルールはありませんが、入力したパラメータがユーザーに見えることから、読みやすさや失礼のない文字を入力するようにしましょう。
GA4では「キャンペーン」として計測されます。
⑥検索広告キーワード:campaign term(任意)
検索広告で入札しているキーワードごとに流入があったかどうかを調べたい場合に入力します。
⑦クリエイティブ区別:campaign content(任意)
広告のクリエイティブごとに効果を調べたい場合に入力します。
例えば、1つのメルマガ配信にデザインの異なる2つのリンクがあったとします。
その2つのリンクのうちどちらがより効果的かを調べる場合は、この項目にそれぞれ異なる文字を入力して効果測定に用いることができます。
必要な項目を入力し終えたら、「Share the generated campaign URL」という白枠部分から発行したURLをコピーします。
コピーしたURLをLPや広告、メルマガ配信などのリンクに設置します。
手動で発行する方法
次に、手動で発行する方法を見ていきます。
URLパラメータの記述方法は、URLの後に「?」パラメータ同士の連結には「&」をつけて記述します。
また、パラメータひとつひとつは「パラメータの種類=設定内容」と記述します。
例えば次のような場合で考えてみます。
・リンク先URLが「https://www.efusion.co.jp/」
・Googleのディスプレイ広告
・キャンペーンは2023年8月に開催
この場合、参照元は「utm_source=google」、メディアは「utm_medium=display」、任意のキャンペーン名は「utm_campaign=campaign-202308」と組み合わせて生成することができます。
正しく計測するため、手動で入力するときはに特に次のような注意が必要になります。
・参照元(source)、メディア(medium)は必ず入れる。
・パラメータの順番は自由ですが、設定値の大文字小文字の違いには細心の注意を払う。
・メディア(medium)の設定値はデフォルトチャネルのルールに従う。
・アンカーリンク(#から始まるページ内リンク)はURLパラメータの後につける。
・一度計測されるとGA4にデータが残るため、設定内容の文言は予めルールを決めておく。
手動でURLを作成したら、対象のLPや広告、メルマガ配信などのリンクに設置します。
GA4で設定したURLパラメータの計測結果を確認する方法
URLパラメータを設定したら測定結果をGA4で確認します。
今回は必須項目、推奨項目の「参照元(source)、メディア(medium)、キャンペーン名(campaign)」を簡単に確認する方法をご紹介します。
GA4の左側メニューの「レポート>集客>トラフィック獲得」を選択します。
初期画面では「セッションのデフォルト チャネル グループ」という項目が表示されています。
セレクトメニューから参照元とメディアを確認する場合「セッションの参照元 / メディア」、キャンペーン名を確認する場合は「セッションのキャンペーン名」を選択します。
画面が切り替わると、一覧から「参照元、メディア、キャンペーン名」をそれぞれ確認できます。
補足:初回流入者に絞った確認方法
計測値を初回流入に絞って計測したい場合は、先ほどのGA4の左側メニューの「レポート>集客>ユーザー獲得」を選択します。
初期画面では「最初のユーザーのデフォルト チャネル グループ」という項目が表示されています。
セレクトメニューから参照元とメディアを確認する場合「ユーザーの最初の参照元 / メディア」、キャンペーン名を確認する場合は「ユーザーの最初のキャンペーン名」を選択します。
画面が切り替わると、一覧からそれぞれ確認できます。
※GA4の数値計測には反映まで1日程度かかる場合がありますので、即時反映されない場合は1日程度おいてから確認すると反映されている場合があります。
また、大文字小文字の違いでも結果が変わってしまうため、入力に誤りがないか確認をしてみましょう。
終わりに
今回の記事では、GA4でURLパラメータを使った流入元測定方法を簡単にご紹介しました。
URLパラメータはUAでも利用できた技術ですが、引き続きGA4でもしっかりと活用することができます。
GA4で施策ごとの効果測定に困っている方は取り入れてみて下さい。
また、自分作業を進めるのは難しいといった場合は弊社が代行することも可能です。
弊社HPお問い合わせより、お気軽にご相談ください!
※GA4はUAとはセッションの区切りが異なり、UAに比べて計測値が少なくなりやすい傾向にあるということをあらかじめご留意ください。
(参考:アナリティクスヘルプ「[GA4] アナリティクスのセッションについて」)