前回、普段使いのiPhoneでデータ通信が激増するという症状に陥ってしまい非常に困っているというお話しをしました。
対策としてiCloudをOFFにして使っていたのですが、あくまでも対処療法なのでそのままiCloudなしで使い続けるというわけにもいかず、Appleからのコンタクトを待つにしても、3週間待ってもコンタクトが来ないのでは期待できないような気もするし・・・自分でチャレンジしてみたところ、自力で解消させることができましたので、同じような症状で本稿にたどり着いた方へ解消した顛末一部始終をまとめます。
まず、どういう症状で困っていたのかの詳細は前回をご覧いただき、解消に向けたチャレンジの発想からやってみましょう。
最初は、普段使いのiPhone6s Plusのモバイルデータ通信が4月下旬に急に増えたので、なにかデジタルデータ通信を暴走させてしまう地雷アプリを入れてしまったのかと思い、日にちを遡って新しく導入した、もしくは新たにアップデート更新があったアプリを削除してみましたが、改善しません。
インストールしたアプリに原因があるかどうかはっきりさせるために、iPhoneを初期化してアプリを入れていない状態でテストしてみましたが、まったく改善なし。しかし、iCloudをサインアウトするとピタリと暴走のようなデータ通信が止まること、別のApple IDでiCloudにサインインしても暴走のようなことが起きないことを確認。iPhone6s Plus(iOS9.3.1と9.3.2)とiPhone6(iOS9.3.1と9.3.2)にそれぞれ別のキャリア別SIMという環境で同じ症状を確認。共通項はiCloudにサインインしているのが同じトラブル該当Apple IDということです。これでインストールしたアプリ由来のデータ通信でないこと、トラブル該当Apple IDアカウントのiCloudのどこかに地雷が埋まっていることが確定。
余談ですが、今回のことでAppleサポートの方とのお話しから、誰でもApple IDは複数持てること、iPhoneやmacにおいてiTunes Store/App StoreとiCloudでは別々のApple IDでサインインできること、その状態で利用して問題ないことを初めて知りました。
今回は無事に問題をクリアできたのですが、もしクリアできなかったら正規に別にApple IDを取得して、iCloudにはこの新Apple IDを、iTunes Store/App Storeにはトラブル該当Apple IDを割り当てて、当面は使っていこうと思っていました。
該当Apple IDアカウントはiPhone6/6s Plusという2台だけでなく、本稿を書いているmacbook airやWindows7上のiCloudアプリなど、複数のデバイスに紐付けて使っています。この中のどのデバイスの何かが悪さをしているのかを特定しようと、2台のiPhoneを除く全デバイスでiCloudをサインアウトしてみましたが影響なく、iPhoneではモバイルデータ通信の垂れ流し状態が変わりません。これで特定のデバイスには地雷は埋まっていないことが確定。
こうなると、すでにiCloudドライブ上に上がってしまったデータが地雷である可能性が高まってきたので、macのiCloud「ストレージを管理」でiCloudドライブ内を覗くと、0KBのバックアップと数百KBのメールだけが入っている。そこで、iPhone側でデジタルデータ通信を暴走させたままでストレージの増減を監視してみましたが変化なし。
そもそも、デジタルデータ通信が暴走状態のiPhoneのiCloud設定は、バックアップもメールもOFFにしてあるのですから当り前といえば当り前。これで、デジタルデータ通信暴走の中身はiPhone側からiCloud側へのデータ送信ではなくiPhoneへのデータ受信らしいことが想像できました。
こうなると、ずーと使っていないから対象外と思っていたバックアップかメールのどちらかが地雷という可能性が高いことになりますが、iCloudドライブ上のバックアップ利用量が0KBでメール利用量が数百KBなので、まずはメールを疑うことに。
長い間、iPhone/iPadだけでなくmacでもiCloudの設定でメールはOFFにして利用してきたのですが、ここで記憶にないくらい久しぶりにiCloudのメールをONにしてiPhone、iPad、macなど手持ちデバイス全部でiCloudを同期させるため、WiFiに接続してしばらく放置。全デバイスでiCloud上にメールを保存しないように設定して、削除できそうなメールはすべて削除して、またしばらく放置。
すると、macのiCloud「ストレージを管理」でiCloudドライブ内を覗くと数百KBだったメールの利用量が数MBになって、さあどうだろうとiPhoneのWiFiをOFFにしてデジタルデータ通信の転送量を監視してみると、さっきまで暴走するように増えていったデジタルデータ通信のシステムサービス「書類と同期」がピタッと止まったではありませんか、ビンゴです。
大きな声で「ヤッタ!」と叫んでしまいました。
こうして、ゴールデンウィークとともに始まったデジタルデータ通信が暴走するトラブルは3週間かかりましたがなんとか終焉しました。トラブルの原因は特定できませんでしたが、トラブルが起きていたらしい箇所を整理したら起きなくなったのだから、これで良しとしましょう。
残念なのは、Appleサポート氏は本件でフォローをいただけるニュアンスで、言葉丁寧に親身な感じでお話しをされましたが、現時点までノーフォローなこと。
同じようにデジタルデータ通信(システムサービスの「書類と同期」)が急に激増してお困りの方に、前例としてお役に立てれば幸いです。
2016年5月25日